ルーリ195年(5)クリントさん。

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※今回、完全に妄想と捏造と創作でお送りしております。
※苦手な方はご注意ください。
※また画像は一部を除き、全て合成、捏造となっております。

 

~前回、クリントさんの様子がおかしかった…そのわけとは…

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「……駄目って何が駄目なの?」

「………試合、殆ど勝てなかった」

「もうオレ、自信ねーわ…武術向いてないんじゃねーかな」

「どうしてそう思うの?」

「こういうのって、勝てなきゃ意味ないだろ?」

「たった1回だけしか勝てないなんて……ただの足手まといだろ?」

「そんなこと……私だって最初は全然勝てなかったんだよ?」

「………最初の最初はそうだったかもしれないが、
             その後ちゃんとお前は勝ってたの、オレは知ってる。」

「でもな、オレはたった1回しか勝てなかったんだ。
             他は全く駄目だったんだよ。」

「…………」

「……もう武術やんねーほうがいいのかな。やっぱ向いてないんだわ」

「………」

「はーあ…なさけねーなー……」

「…………」

「なんでオレ、武術の才能ないんだろ……」

「…そんなことないよ」

「?」

「クリントさん、自分で才能ないって思ってるけど、そんなことないよ」

「なんでそう思うんだよ?」

「だって、私、クリントさんが、頑張ってたの、知ってるよ?」

「…だから?」

「だから、別に才能がないから、ダメ、とかそういうことはないと思うの」

「……結果だせなきゃ同じだろ?」

「そんなことないよ。努力は実を結ぶ。私はそう思う。」

「………」

「努力ね…」

「そう、努力」

「……でも、いくらやっても、だめなもんは、だめじゃね?」

「…」

「むいてねーもんは、むいてねーんだと思うよ」

「……」

「やっぱだめなんだわーオレ…ハァ…なさけね…」

「………  本当に情けないね」

「?!」

「クリントさん、情けない」

「…は?」

「私、思ってたんだ。なんで、クリントさんって、そんなに自信がないのか」

「…」

「クリントさん、今まであんまり色んな事、きちんとやってこなかったでしょ?」

「…!」

「セザールさんが言ってた。
             クリントはやれば何でも出来るだろうに、なんでやんないのかって。
             なんでいつも距離をとるんだろうって。」

「…セザールな、アイツはエリートだからな。オレとは違う。」

「どうしてそこで人と比べるの?」

「……」

「……オレはな、水の騎将の息子だったんだ。」

「うん。そうだったね。」

「でも、出来の悪い息子がいるだなんて、親父に悪いだろ?」

「…」

「だから余計な事はしないようにしてきた。迷惑かかんねーように。」

「…だから何もしてこなかったの?諦めてたの?」

「……お前、今日…言うね」

「ねえ、何もしないで諦めてきたの?」

「……」

「ねえ」

「そうだよ?悪いか?」

「最初から駄目ってわかってるんなら、やんないほうがいいだろ?」

「だから、逃げてきたの?」

「!」

「クリントさんは、お父さんに迷惑がかかるって言ってるけど」

「実際そうだろ?」

「違う。そういうことを、言い訳にして、
             ちゃんとやってこなかっただけじゃない?」

「……」

「それなのに、たった1年駄目だっただけで、諦めるの?」

「…」

「クリントさん、甘え過ぎ!」

「…!」

「私だって、努力してティルグ員になったの」

「訓練して訓練して、技も教えてもらって、強くなろうとしたの」

「それで今の私がいるの」

「だから、クリントさんにも、ちゃんと頑張ってほしいの」

「…でもオレとお前は違うだろ?」

「違わない。クリントさんだって、頑張ればできるの。」

「どうかな…」

「クリントさん、技、必要最低限しか覚えてないでしょ?」

「…」

「それなのに、もう駄目だっていうの?
             他の可能性も試してないのに、諦めるの?」

「…」

「私が技を教えてあげる。だから、一緒に強くなっていこう。」

「…」

「…私、嬉しかったんだよ?」

「?」

「クリントさん、ずっと武術嫌いだと思ってたのに、
             ちゃっかりノームスに入ってて、ああ、何だかんだいって、
             武術、好きだったんだなぁって思って、嬉しかったの。

             きっと、お父さんも嬉しかったと思うよ?
             クリントも武術に興味持ってくれたんだなって。」

「…」

「それなのに、もう嫌だ駄目だ止めるだなんて…。」

「……」

「駄目だ!諦める!って言葉は、
             出来ることを全部やってしまってから、言っても遅くないと思うの。」

「…」

「クリントさんはまだスタート地点に立ったばっかりだよ。
             まだ、全然歩いてないよ。」

「…」

「まだ歩いてもいないのに、諦めるのって、変じゃない?」

「……そうかもな」

「そうだよ。まだこれからだよ。」

「世の中には、晩成型の人もいるんだよ。
             若いうちに花が咲かなくても、きっとその日は来る。
             私はそう信じてる。」

「……」

「わかった。」

「ほんと?」

「ああ………お前がそこまで言うなら……
             …もうちょっとだけ頑張ってみるよ。
             それで、やるだけやって、駄目だったら…諦める…」

「うん。」

「…協力してくれる?」

「勿論!だって私はクリントさんの奥さんだから!
             私にできる事なら、なんでも言って!」

「…サンキュ」

「うん!」

「…じゃ、今度空いた時に技を教えてくれ」

「おっけー!」

「……」

「……ちょっとは元気出た?」

「…まぁな」

「……ちょっとスッキリしたかな」

「スッキリ?」

「…なんだかんだ、お前はオレの事みてたんだなぁって思って。」

「まるで心の中を覗かれてるみたいで…ちょっとびっくりしたし、
             多分、オレがずっと欲しかった言葉、言ってくれた、と思う。」

「うふふー。
             私はクリントさんが大好きですからねーお見通しなんですよ。」

「ふーん」

「それに私思うんだ。」

「?」

「クリントさんって武術してる時、いきいきしてるんだよね。」

「…そうかな」

「うん。自分じゃ気付いてないかもしれないけど、いきいきしてる。
             だからこそ、ノームスに入れたんだと思うよ。
             そういうところ、きっと地の騎将も見てたんじゃないかな」

「……そうかな」

「きっとそう!
             だからね、そういう部分、大事にしていけば、大丈夫だよ。
             何があってもきっと大丈夫。」

「…そっか」

「うん、一緒に頑張っていこうね!」

「…わかったよ」

「ウフフ!」

「ハハッ」

「あ、そろそろ…剣賛の宴の時間だね」

「ああ、そうだな」

「一緒に行こう♪」

「ああ」

 

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中の人の長すぎる余談。

  今回はクリントさんの内実に焦点をあてました。唐突に感じたかもしれないですね!(自分でも唐突に感じてるので(…))

  クリントさんは、発売当初からお付き合いしていて、もうすぐ一年になりますが、正直なところ、何を考えているのか判らない人、というのが印象でした。

  お父さんが水の騎将だったにもかかわらず低ステータスで、覚えてるのは基本の技2つだけという状態。仕事も不真面目だし、何がしたいんだろうか…?って、そればかり。
  でもそれが武術の方に力を注ぐようになって、数年かけて少しずつレベルがあがり、基本技も全部覚えて、試験や決定戦にも参加して、と徐々に成長していくクリントさんを見ているうち、実は武術好きだったんだって気付きました。
  だからこそ、ノームスティルグに入隊した時、私は非常に嬉しく思ったのですよ。本当はこういうことやりたかった人だったんだ!って。
  クリントさんの親友であり同級生でもあるセザールさんは、若くして(恐らく成人して2年後)エルグ長にもなったエリート。武術も勿論ちゃんとできるよ!という人なので、そんな人とずっと一緒にいたらどうしても比べちゃうし、周囲は水の騎将(しかも議員)の子供としてみる…そんなクリントさんの心境はいかばかりだったのでしょう。

  クリントさんは「ラムサラ好き」なので、あまり真面目な人ではありません。が、日頃接するうちに、そのように振る舞っている人なのではないか、という気がしてならないのです。
  ずっとずっと、心のそこでは何を考えてるんだろう、って考えて、考えて、ふっと、たどり着いた答え、それがこの会話の元となりました。

  完全な妄想ですけどね!でも、そういう風に私は思えて、クリントさんを益々愛する事ができるようになりました、人として。ルーリがPCな分、NPCとしての劣等感もあろうと思いますが、二人三脚頑張っていってもらいたいと思います。

  というわけで今もこれからも、クリントさんの戦績には余程の場合がない限り、一切手を出さない事に決めました。自力で頑張って欲しい!彼の底力がどれ程なのか見せて欲しい!それが私の彼に対する愛のカタチ。

  今後のクリントさんの活躍を、ルーリ共々願わずにいられない中の人でした。

 

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